Japanische Klassiker mit Furigana
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ぬまふじん
沼夫人
泉 鏡花
Lesen Sie 沼夫人 (ぬまふじん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 78 Bildschirme
と注意すると、
(はい、いいえ、可うござんす。)
と云ったが、しばらくして、
(流れてしまったようですよ。)
成程、畦の切口らしい、どっと落ちるんだ。
(飛んだ事をなさいました。)
(いいえ、どうせ荷厄介なんですもの。さあ、参りましょう。)
愚図々々していたので、
(可いんですよ、構やしない。)
とそれでも笑った。この方が私よりまだ元気が可い。が、私が猶予ったのは、駒下駄に、未練なものか。自分のなんざいつの昔失くなしている。――実はどちらへ踏出して可いか、方角が分らんのです。もっとも線路の見当は大概に着いてたけれども、踏処が悪いと水田へ陥る。
果して遣った! 意地にも立ったきりじゃ居られなくなって、ままよ、と胆を据えて、つかつかと出ようとすると、見事に膝まで突込んだ。
(あっ、)と抜こうとして、畦へ腰を突いたっけ、木曾殿落馬です。
お察し下さい、今でこそ話すが、こりゃ冥土へ来たのかと思った。あの広場を手探りでどうするもんかね。……
背後の足弱が段々呼吸づかいが荒くなってね、とうとう、
(ちっと休みましょう。)
と言い出した。雪路以上、随分へとへとに揉抜いたから。