Japanische Klassiker mit Furigana
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うみのほとり
海のほとり
Lesen Sie 海のほとり (うみのほとり) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.015 Zeichen · 13 Bildschirme
三
)宿の方へぶらぶら帰って行った。
三
……日の暮も秋のように涼しかった。僕等は晩飯をすませた後、この町に帰省中のHと言う友だちやNさんと言う宿の若主人ともう一度浜へ出かけて行った。それは何も四人とも一しょに散歩をするために出かけたのではなかった。HはS村の伯父を尋ねに、Nさんはまた同じ村の籠屋へ庭鳥を伏せる籠を註文しにそれぞれ足を運んでいたのだった。
浜伝いにS村へ出る途は高い砂山の裾をまわり、ちょうど海水浴区域とは反対の方角に向っていた。海は勿論砂山に隠れ、浪の音もかすかにしか聞えなかった。しかし疎らに生え伸びた草は何か黒い穂に出ながら、絶えず潮風にそよいでいた。
「この辺に生えている草は弘法麦じゃないね。――Nさん、これば何と言うの?」
僕は足もとの草をむしり、甚平一つになったNさんに渡した。
「さあ、蓼じゃなし、――何と言いますかね。Hさんは知っているでしょう。わたしなぞとは違って土地っ子ですから。」
僕等もNさんの東京から聟に来たことは耳にしていた。のみならず家附の細君は去年の夏とかに男を拵えて家出したことも耳にしていた。
「魚のこともHさんはわたしよりはずっと詳しいんです。