Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
だから、自分たちが普通に見ている栗や柿も、あれが精一ぱいのものではなくて、気候とか養分の摂り方に、もっと適応し逞しく進化して行けば、此処で見るような巨大な実を結び、花を咲かすことが出来るのかも知れない。
「火星の植物にすっかり考えこんでしまったようですね、はっはは」
志賀健吉は、茶碗の茶を一呑みに空けると、いかにも愉しそうに笑った。そして
「いやあ、一寸お詫をしなけりゃならんですが、今までご覧に入れたのは、皆な火星の果実でもなんでもありません、この地上のものですよ」
「なんですって――?」
大村が、思わず聞きかえした。
「火星から、ひょっくり植物のタネが来るわけもないじゃありませんか、実はさっきお二人がさかんに火星の話をされていたようだったし、そのあとで私の作った作物に愕かれたようだったんで、ひょいとそんなことをいってしまったんです……」
「ははあ……」
「しかし、これらはたしかに普通のものじゃありませんし、あとでこれを市場に売出す時には火星の栗とか、火星の茄子とか、そう銘打っても一向差支えないと思いますね、――お蔭でいい商標を思いつきましたよ」
「すると、あれは皆な志賀さんが作られたんですか」