Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
、電線で神経の代用が出来ぬものか、と思いあたったのじゃ、そして電気をよく通すもの、しかし銅では体内で酸化したり腐食する惧れがあるというので、白金を髪の毛のように細かく打伸ばしてな、これを使って見た、ところがどうじゃ大成功なのじゃ、神経系統にいささかの障りもないばかりか、しかも流石は畔柳博士の執刀だけに、現在傷一つも皮膚に残っておらんからの――」
「へーえ……では、左ききというのはどうしたわけなんですか、白金線を入れても、それはそれで神経が自然に、又伸びてきて接がったのじゃないですか」
「ふふん、それは素人考えというもんじゃよ、瞭らかに現在も木美子の腕の運動神経は白金線が代用しとる証拠があるんじゃ、というのは畔柳博士が忙しさのあまり白金線を逆につけてしまったのじゃ、つまり普通の人間では脳の左半球から出る命令が体の右半分を、右半球の脳が左半身を司っていることは君も先刻承知じゃろう、それを、なんとしたことか腕の運動神経だけ右は右、左は左につけてしまったのじゃ、その結果、木美子は生れもつかぬ左ききになってしまった……、そればかりか、君、普通の者が歩く時は、右足を前に出す時、左手を振り、次に左足を出すと右手を振る、こうして平衡をとりながら歩行するじゃろう、ところが哀れにも木美子は右足を出すと同時に右手を振り、左足と左手