Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
Lesen Sie 火星の魔術師 (かせいのまじゅつし) von 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.120 Zeichen · 302 Bildschirme
て行った。
「ありがとう、しかしぼく達を逃がしたらあなたが困りませんか」
「いいえ、私なんか……」
「でも、もしかあなたが、あの危険な実験の犠牲になるようなことは――」
「いいんですの、まさか兄妹ですし……」
そう、顔をそむけていった、星明りの中に夕顔のように白かった誠子の顔が忘れられなかった。
大村は、歩きながらも、幾度か振りかえった。しかし結局無駄であった。誠子は矢ッ張り追いて来ようとはしなかったのだ。
――その後『火星の果実』は、どうしたことかまだ一向に市場には出ないようである。或いは志賀健吉が、自分自身の体に、奇怪な実験を加えているのではなかろうか。そして、もしかすると彼は、あの美しい妹とともに想像も出来ぬ『火星人』と化してしまったのではなかろうか。
(「ユーモアクラブ」昭和十六年五月号)