Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つばくろ(つばくろ)
燕(つばくろ)
山本 周五郎
Lesen Sie 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.395 Zeichen · 52 Bildschirme
渡貫は唇をひきしめ、空を見あげていた眼を相川へ戻しながら、ひそめた声で叫ぶように云った。
「万全の手段などというものはない、そういう考えかたは老人のものであり、燃えあがるべき火を消す役にしか立たない、いいか、われわれの目的を要約して云えば、伝統を打ち壊すということだろう、それを常識に即してやろうというのは間違いだ、根本的な考え違いなんだ」
「おい、ちょっと見ろ」と相川が手をあげて云った、「――あの縁側、あそこに立っているのは渡貫老じゃあないか」
渡貫は松林の端のところまで進み出、眼を細めて向うを見た。
「祖父だ」と彼は口の中で呟いた、「――見に来たんだな」
「見に来たとは、――なにを」
「おれがやるかやらないかをさ」と渡貫は云った、「いまおれがなすべきことは、改革断行の火を放つことだ、今日ここで、おれが老臣の一人でも斃すことができれば、くすぶって消えかかっている火が燃えあがる、おれはよろこんで一本の焚木になるぞ」
「おい、待て」と相川が渡貫を追いながら云った、「渡貫ひとりではむりだ、どうしてもやるのならおれもやる、だがそのまえに手筈をきめよう、やるなら仕損じのない