Japanische Klassiker mit Furigana
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つばくろ(つばくろ)
燕(つばくろ)
山本 周五郎
Lesen Sie 燕(つばくろ) (つばくろ(つばくろ)) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.395 Zeichen · 52 Bildschirme
「早苗さんのものではないか」
村野はそれを畑中に見せた。
「妹のだ」と畑中は受取って云った、「この奥に相違ない」
二人は松林の奥へゆこうとした。するとそっちのほうから、佐藤正之助が畑中早苗を背負って出て来た。
「なんだそのざまは」と畑中が喚いた、「早苗、みぐるしいぞ」
「履物をなくしたんでね」と正之助が云った。
畑中は持っている履物を、二人のほうへ投げてやった。早苗は蒼くなり、正之助の背中からすべりおりて、履物をはいた。
「恥を知れ佐藤」と畑中が叫んだ、「きさまそれでも侍か」
「まあそう怒るなよ」正之助はおちついて云った、「今日は年に一度の茸狩りだし、早苗さんとは話すことがあったんだ」
「阿部さんの娘とはどうだ」
「そうどなるな」
畑中は「こいつ」と云って正之助の衿を掴み、「こっちへ来い」と、乱暴に広庭のほうへ小突いていった。正之助は温和しく、されるままになっていた。
「お兄さま」と早苗があとを追いながら叫んだ、「お兄さま、お願いですから乱暴なことはなさらないで」
「きさまは黙っていろ」松林の外へ出ると、畑中は掴んでいた衿を放してどなった、「女の出る