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Japanische Klassiker mit Furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (かわ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 75.647 Zeichen · 155 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、むこうのすみで話しあっていた一団のなかから、

「兵タンが死んだげなぞ」

と、ひとりがいった。

「ほうけ」

と、ほかのものがいった。べつだん、おどろくふうも見えなかった。久助君もおどろかなかった。久助君の心は、おどろくには、くたびれすぎていたのだ。

「うらのわら小屋で死んだまねをしとったら、ほんとに死んじゃったげな」

と、はじめのひとりがいうと、ほかのものたちは明るくわらって、兵太郎君の死んだまねや腹痛のまねのうまかったことを、ひとしきり話しあった。

久助君は、もう聞いていなかった。ああ、とうとうそうなってしまったのかと思った。そっとかた手を、ゆかの上の日なたにはわせてみると、じぶんの手はかさかさして、くたびれていて、悲しげに、みにくく見えた。

三

日ぐれだった。

久助君のからだのなかに、ばくぜんとした悲しみがただよっていた。

昼のなごりの光と、夜の先ぶれのやみとが、地上でうまくとけあわないような、みょうにちぐはぐな感じの、ひとときであった。

久助君のたましいは、長い悲しみの連鎖のつづきを、くたびれはてながら旅人のようにたどっていた。

六月の日ぐれの、びみょうな、そして豊富な物音が戸外にみちていた。