Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
館を出ていずれに越そうとする。」
「野は何処も開け放しだ。」
「いかがして飯を用意する、飯は野に落ちてはいぬぞ。」
「兄上の飯をはむくらいなら、野に出て甘い草木をかじり申していたらさぞ晴れがましい気がいたそう。」
「この兄の飯をくらわぬというか。」
「とうから厭になってござる。」
「何故すぐさまに出て失せぬのだ、そのようにいやならば、とかく申さずにかたを附けたらよいのに。」
「いずれ参ります。」
「そちらしくないことを申す、口前を覚えて置け。」
「わすれ申さぬ。いずれは野に暮らす者にとって何の嘘がございましょう。兄上の飯はもとより母上の飯にもお言葉にも、もう、こりこり申している。」
「母上のことをあげつらうのはよせ、そちの幼少の折から眼をかけてつかわされた母上のことをあれこれと申すと、口もひんまがるぞ。」
「何の、われにはあずかり知らぬ母上のことだ、兄上にはまことの親しみはござろうとも、われにはまるで関係のないことだ。」
「母上のことを申すな、恐れ多いではないか。」
「兄上には恐れ多いかはぞんぜぬが、われには何のかかわりのない母上、兄上がわれの身の上になったら何も彼も分り申そう。