Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
いるようなものだ。しかも、彼に逢って物語ることによって、彼女のふしぎな顫えはとまり、落ちつけるのであった。何という変りはてた自分であったろう。
この窓で見る夕方から夜のあかりは、庭のうえでは、いつも、ぼやけた美しい毎夜の落月であった。花桐はその遠くの道のはてに一人の男のすがたを見付け、それが持彦であることを疑わなかった。かの女は薄葉をこまかく裂いてそれを継ぎ合せ、窓わくに下げて風の過ぎるのを待った。風は紙きれの尾を吹いて宙に舞わせ、遠くからでも、その動きの見えるようにはかった。第一夜第二夜はすぎ、そして第三夜にはとくに大きい紙片を折からのはげしい風になびかせた。花桐はその紙きれにみちびかれて来る人のかげを、道の近くに見付けた。
かげを持つ人は間もなく花桐の屋敷の土の塀を乗り越え、跼むようにして樹木のあいだをくぐって来た。花桐は紙きれをたたんで、ひとすじの帯を窓からさげると、その端を確りと倉の柱に結び付けた。それは彼女の手ではとうてい男一人を支えきれないためであった。
持彦は倉の下に近づくと、その帯のはしをつかんでいった。
「花桐どの、誰か見ておらぬか、気をつけられい。