Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
生絹はいうのであった。便りのたびになにほどかのお金はきっとお送りいたします。あなたさまのご都合よきときに紅梅色の一襲なりとも送りくださいませ。いいえ、それより先に薄色のこまやかな襲なりとも、お見立てしてお便りするはずでございますと、はや、京にのぼる答えと許しを得たようにいう、思いあがった生絹だった。京の夕ぐれ、相つれてゆたかに歩くことも夢ではございません。たとえ女房のつとめ忙しくとも宿下りの日の久かたのもの語りも、眼に見えるようでございます。それに引きかえ、この津の国の難波のさぶしさはしのんでも、きょうあすの粟をさがすのにもほとほと永い間のことですもの。指のささくれや手のよごれはともあれ、わたくしの恐ろしいのは若い女としての心が鈍ることでございます。たとえいまはまだ見られるほどの顔も、心が鈍ってゆけば、曇ってきたなくなってしまいます。わたくしそれをあなたさまに申しあげて置かねばなりません。女の美しさをすりへらして来るものは此処津の国の難波の土とほこりでございますもの。
右馬の頭はもういうこともなく、点頭いて見せた。このままのなりわいを続けて行ったら、生絹は泥くさい田舎女になり果て和歌の才能すら難波の蓬生のあいだに埋れてしまわねばならない。