Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
右馬の頭は生絹の詠ずる歌をよむときに、彼女の顔の白さがいつも照るように見えた。それほど、右馬の頭は生絹の歌を彼女のからだを飾る花のようなものに愛していた。
「では行くがいい。三年したらわしも立ち直って迎えに行く。」
「いえ、わたくしの方からお迎えにまいりますわ。」
見違えるように美しくなり、津の国の泥をきれいに落してしまおうと生絹はいい、早、旅の装束をととのえはじめた。右馬の頭も、旅の費用にあてるため銀と金の剣をひそかに金にかえようと、ほど近い町にでかけて行った。
生絹はその僅かな留守居のあいだにも、何度か聞耳を立て、何度か往来の道ばたに出て行った。きゅうに春めいた田や畠は萌えた青い粉を雑ぜた、襲の色に見えた。僅かな留守居にも斯様に待ち遠い思いをしているのに、京に一人でのぼって行くことが出来ようか、自分の考えはまちがっている、右馬の頭は剣さえ売って路用にあてようとしているではないか、生絹は柱につかまりもう行くまい、難波の土にうもれようと身をもがいてなみだぐんだ。
夜は風の音さえまぜておとずれたが、右馬の頭は遅くなって町からもどって来た。何枚かの黄金にかえた右馬の頭は路用もできたから、七日には立ちたまえ、壺装束も明日はとどけてくれるからといったが、生絹は泣いていった。