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Japanische Klassiker mit Furigana

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おぎふくうた

犀星王朝小品集

室生 犀星

Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme

Aozora Bunko

媼はわたしのせいじゃあるまいしと呟いて去り、すてはそれらの問答の内容は判らなかったが、袴野の怒った顔附が何のために怒っているかを知ったが、やはり冷然として這入って来る袴野を見返った。袴野はいった。

「誰の子だか言えたら言って見よ。」

「貝ノ馬介どのの子供や、間違いなく。」

「何故あんな奴の子を孕んだのだ。」

「そんなことがあんな時に誰が判るものか、阿呆いうな。」

「判らなかったのか。」

「死ぬ覚悟で来た人だ、何があたしのちからで防げるものか。」

「そのがきは水で冷やして殺すがいい。」

「温めて永い間生かしてやる。塞のぼろ屑をみんな持って来い、温めてふとらせてやる。貝ノ馬介が死んで生れて来たのだ。」

袴野は自分の猛るよりも、すての猛りがさかんで手向い出来ない高飛車なものであること、懸命なそのくそ落著きにこの女、人がちがって来たと思った。それ以来、彼は塞の中に何時も二つの瞳が、昼も夜もぎらぎらして近寄る気にもならなかったが、ようやく、野伏ノ勝が不浄物の始末をしているのを今は見遁す気になっていた。野伏ノ勝は夜も昼もすてに附添ってみとりを続けたが、そんな小汚い女は汝にくれてやると、袴野はやけくそになって呶鳴った。