Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おぎふくうた

犀星王朝小品集

室生 犀星

Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme

Aozora Bunko

「いかがなことでございましょうか。わたくしに関することで何か……」

「気にかけてはいけない、少しも気にかけることではないのだ、ただ、あの武士がいまだに丈夫でいるならば、わが亡き後にそなたの処を知らしてやれと申したいのだ。」

「それはまた何故にございます。」

「そなたの身をまもる人がいなければならぬからだ、それには、そなたのしたしい人でなければ親身になって身をまもってくれぬからだ。」

わたしはこうべを垂れてだまってしまいました。やっと、わたくしの口をついで出る言葉は、ただのひと言に尽きているのでございました。

「そのようなことは再度とおはなしくださいませんよう、あらためて山吹から申し上げとうございます。」

紀介様は手をふってそんなに神経質になってくれては、こまると仰有られました。

「決してそなたにやきもちをやいているのではない、よくお聞きあれ、人というものはその終の日に近づいてゆくと、気持が澄んで一点の濁りもないところに、ようように辿りつくものらしいのだ。わたしはいま、恰度、そういう境にいるのだ、そこからお前を見つめていて、何が祈られるかそなたに分るか、何がそなたの生涯をふくよかにするかが分れば、それを選ぶということが自然になされることではないか。