Japanische Klassiker mit Furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme
」
「それでもわたくしは、そのようなお言葉をお聞きするのがつろうございます。」
「それはそなた自身が心をくるしめるように考え込むからいけないのだ、わしの顔や眼つきをごらん、何一つ邪しいことは考えていない、そなたももっと大きい心になって聞いてもらわないとこまるのだ。」
「はい。」
「つまりわしは何を眼あてにして死のうとしているのか、それが分ってくれれば有難い、人は死ぬことにすら目標がいる、死ぬ奴には死ぬために生きるものがほしくなるのだ、つまりそなたをわしの信じた人につきあわせるということだけで、どれだけわしの心が広くはれやかになるか分らない、ただ、そのままのそなたを見る不安をまぬがれることが、わしには必要なのだ、そなたの身をまもるには、若い武士より外に人はいない、ほかにそなたに近づく人がいるという考えを、わしは信じないしそういう考えを斥けたいのだ。」
「はい。」
「あの若い武士をひと眼みたときから、わしの心にはやきもちが起らずに、しずかな友達としてのよしみが感じられた。決して悪い人間ではない、むしろ、よい人間の質を感じた。そなたに近づいているほどの人間にはそれだけの資格がいる、それをあの若い武士は智恵や容貌の点からもいしくも持ち合していた。