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Japanische Klassiker mit Furigana

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おぎふくうた

犀星王朝小品集

室生 犀星

Lesen Sie 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.794 Zeichen · 211 Bildschirme

Aozora Bunko

筒井はその時はじめて勁く語調をあらため、彼の腹にこたえるように申し出たのであった。それは思いかけぬ言葉の剛直さをあらわしていた。

「あなたもわたくしあることをお忘れなきようにお願いいたします。」

「そなたもだぞ。」

「わたくしのことはお心にのこさずにどうぞ。」

「いや、土くさき田舎暮しでは気がかりにもなる。」

「美しい人のたくさんおられる都のたつきこそ、わたくし恥かしながら心がかりに思いまする。」

彼は何となく男の本能から悸乎とした。美しい人びとの往来する朱雀大路を思うだけでも、永い間田舎に住んだ渇きがそこで充たされそうであった。そういうたまゆらの悸乎としたものは再び彼を捉えて、面をくもらせるほどであった。

「都では我らを対手にしてくれる者とてもあるまい。」

その夜はかつてないほど多くのしみじみした話が二人のあいだにあった。男も凡てを信じてはいたが、ひとなみの気にかからぬほどの不安があった。そのあるかないかの依りどころない不安は、いままでの、どういう不安にくらべても大きいものだった。

二、三日の後、晴れた日に彼らは別れの宴のようなものを催したが、赤の飯を炊こうとしてもその年の虫の害は、畑に小豆というものが一粒も実らなかった。