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Japanische Klassiker mit Furigana

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たまものまえ

玉藻の前

岡本 綺堂

Lesen Sie 玉藻の前 (たまものまえ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.703 Zeichen · 261 Bildschirme

Aozora Bunko

烏帽子折

一

そうして、つつがなく一年二年を送って、その禍いが去ったとみえたらば、再びもとの弟子師匠じゃ。憎うて勘当するのではない。しょせんはお身が可愛いからじゃ。むごい師匠と恨むまいぞ」

噛んでふくめるように言い聞かせて、泰親は幾らかの金をつつんで呉れた。千枝太郎はただ夢のようで、なんと言い返してよいかを知らなかった。彼はおのずと涙ぐまれた。

烏帽子折

一

「おとといのこと、頼長も近頃心外に存じ申すよ。泰親が一生に一度の祈祷、よも仕損じはあるまいと頼もしゅう存じておったに、あの通りの体たらく……いや、さんざんじゃ」

堪えぬ憤りの声に失望の溜息をまぜて、頼長は自分と向かい合っている信西入道のおちつき顔を睨むように見つめた。信西はゆうべ泰親の使いの口上を受け取って、けさは早朝から宇治の左大臣頼長をたずねたのである。泰親がおとといの失敗に対して、頼長の怒りのおびただしいことは信西も大方推量していたが、その気色の想像以上にすさまじいのを見て、彼もさすがに少しく躊躇した。しかしそのままに口を結んでは帰られないので、彼は朽葉色の直衣の袖をかきあわせながら徐かに言い出した。

「その儀に就きましては、泰親もいこう無念に存じて、いかようのお咎めを受きょうとも是非ないと申しております」