Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
Lesen Sie 玉藻の前 (たまものまえ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.703 Zeichen · 261 Bildschirme
と、玉藻は思い入ったように言った。それは、彼女の口から恋歌の返しを兼輔の耳にそっとささやいた後であった。
「ほう、法性寺の叔父にお身はまだ一度も逢われぬか」と、兼輔はすこし不思議そうな顔をした。
法性寺は誰も知る通り、関白家建立の寺である。忠通卿の尊崇なおざりでないことは兼輔もかねて知っていた。その寺の尊い阿闍梨に、玉藻が一度も顔をあわせていないというのは、なんだか理屈に合わないようにも思われた。
「阿闍梨は女子がきついお嫌いそうな」と、玉藻はそれを説明するように寂しくほほえんだ。
甥の兼輔とは違って、叔父の隆秀阿闍梨は戒律堅固の高僧であった。彼は得度しがたき悪魔として女人を憎んでいるらしく、いかなる貴人の奥方や姫君に対しても、彼は膝をまじえて語るのを好まなかった。忠通もそれをよく知っているので、法性寺詣でのときに限って、決して女子を伴って行ったことはなかった。寵愛の玉藻の望みでも、法性寺の供だけは一度も許されなかった。兼輔もそこに気がついて苦笑いした。
「はは、叔父のかたくなは今に始まったことでござらぬ。われらも顔さえ見せれば何かと叱られて、むずかしい説法を小半も聞かさるる。