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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんちょうさらやしき

番町皿屋敷

岡本 綺堂

Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

門番の与次兵衛も幽霊を怖れて暇を取った。こうして男女の家来がだんだんに減っていくので、暗い屋敷のうちはいよいよ寂しくなった。誰も碌々に掃除する者もないので、座敷も庭も荒れるがままに捨てて置かれて、化物屋敷というには全くふさわしいような廃宅の姿になった。七百石の武家屋敷はおどろに生い茂る草原の底に沈んで見えた。

化物の噂などを主人の播磨は念にも置いていなかった。鉄之丞が幻の影を見たといった時に、彼は頭からその臆病を叱りつけた。弥五郎の死んだのを彼は惜しいとは思わないではなかったが、それよりも更に強い打撃を彼にあたえたのは、奴の権六を失ったことであった。権六も喧嘩で死んだ。彼は寛文三年の九月、日本堤で唐犬権兵衛等の待伏せに逢った時に、しんがりになって手痛く働いて、なますのように斬りきざまれて死んだ。

この喧嘩は白柄組が凋落の始めであった。それは水野十郎左衛門が幡随長兵衛を小石川白山の屋敷へ呼び寄せて、湯殿でだまし討にしたのが根となって、長兵衛の子分どもは唐犬権兵衛や放駒の四郎兵衛等を頭にいただいて、ひそかに復讐の機会を待っていた。そうして、水野の一群が吉原見物から帰る途中を日本堤に待受けて、不意に彼等を取囲んだのである。