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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんちょうさらやしき

番町皿屋敷

岡本 綺堂

Lesen Sie 番町皿屋敷 (ばんちょうさらやしき) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.494 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

その時に水野だけは馬に乗っていた。播磨も一緒にいた。ほかにも十二三人の侍がいた。五、六人の奴もついていた。しかし敵の町奴は五六十人の大勢で、しかも不意を襲われたので、白柄組もなかなかの苦戦であった。殊に彼等は廓の酒に酔っているので、自由に働くことの出来ない者もあった。勿論、町奴の側には少なからぬ手負いが出来たが、白柄組にも殆ど過半数の手負いを見出した。その負傷者を敵に生捕られては武家の恥辱であるから、水野が指図して彼等を早く引揚げさせた。

あとに残った侍は七、八人に過ぎなかったが、それでも必死になって戦った。町人にうしろを見せては一生の名折れであると、水野は歯がみをして憤ったが、どうしても頽れかかった勢を盛返すことは出来なかった。彼は生捕りになるのを恐れて、馬を早めて逃げた。最後まで踏み止まっていた播磨も遂に逃げた。権六の討死したのはこの時であった。権次は幸いに命を助かったが、左の足に深手を負ったのがもとで、とうとう跛足になってしまった。

両の翼と頼んだ奴が、一人は死んだ。一人は不具になった。播磨は自分の影が急に痩せたように感じられた。さなきだに無人の屋敷に、人の数がいよいよ減って、主人と用人と奴とたった三人が寂しく残った。