Japanische Klassiker mit Furigana
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はくはつき
白髪鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 白髪鬼 (はくはつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.046 Zeichen · 224 Bildschirme
その向うには、満天の星の下に小高い丘が見えている。
「黙ってついておいで、何も怖いことはありやしないよ」
「あなた、そこに何を持っていらっしゃいますの」
「蝋燭と鍵だよ」
「マア、蝋燭ですって、そんなものが要りますの」
「ウン、わしの倉庫には電燈がないのだよ」
云いながら、わしは瑠璃子の手をしっかり握って、グングン歩いて行った。野中の細道を、星明りにすかしながら、行手の丘へと急いだ。
「あたし怖いわ。明日にしましょうよ。ね、あすにしましょうよ」
瑠璃子がおびえて尻ごみをするのを、わしは無言のまま引ずる様にして丘の坂道を昇って行った。彼女はまさか悲鳴を上げる訳にも行かず、仕方なくわしについて来た。
「サア来たよ。ここがわしの宝物蔵だ」
立止まった目の前に、黒い鉄の扉があった。丘の中腹に穿った穴蔵の入口だ。
「マア、あなた、ここはお墓じゃありませんか。大牟田家の墓穴じゃありませんか」
瑠璃子はやっとそれに気づいて頓狂な声を立てながら、わしの手を振り放そうともがいた。
「そうだよ。大牟田家のお墓だよ。なんとうまい金庫じゃないか。わしの財産がこんな所に隠してあろうとは、どんな泥棒だって気がつくまいよ。