Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme
若いころ支那へ渡り、広東韶州の雲門山で二十年も修業し、その道では人がよもやと思うくらいの師家だという。たぶんそのためだろう、俗眼で見ると徹底的な怠け者で、年がら年じゅうなんにもしない、檀家の人々がお説法を聴きたいと云って来ると、肱枕で寝ころんだままこう答える。
「人間は死ぬまでは生きるだよ、なんにも心配するこたあねえだよ」
そうして酒臭いげっぷをするだけである。また不幸があって招かれても決してゆかない。
「死んじめえばそれでおしめえだよ、おらがいってもしょあんめえ、じゃあ、まあお布施でもたんまり持って来るだね、お釈迦さまのほうへはおらがよろしく云っとくだから」
お勤めなんぞはしたためしがないし、法要があっても自分ではお経を読まない。
「お経はむずかしくってねえよ、そのうちに読みかたあ習うべえさ」
こう云うのが常のことで、さすがに本場修業だけのことはあると、檀家の人々は舌を巻いて、信仰ますます篤いということだった。又四郎はその和尚に預けられたわけで、和尚としては又左衛門の頼みの趣意をよく了解したらしい、それにどうやら又四郎が好きでもあったとみえ、その訓育ぶりにはかなりな程度まで身を入れたものである。