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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひゃくあしちがい

百足ちがい

山本 周五郎

Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

「待って呉れないか、いや待って呉れ、おれは祝杯などは出しても受けないよ」

これではきりがないので、又四郎はかなりてきびしい調子でこう遮った。唐川はびっくりし、眼をまるくしてこちらを見た。

「――祝杯を受けて呉れないって」

「初めに断わっておくが、おれは決して側用人ではない、単に御用係心得だ、次に、おれがきた用件を云おう、面倒かもしれないが、ちょっと五年まえのことを思いだして呉れないか」

「――それはいったい、五年まえっていったい、……」

「城中の詰の間で、支配もいたしほかにも十人ばかりいたと思う、そこでおれを辱しめたことがあるんだ」

無能も秋成くらいになると扶持ぬすみに近いという放言。運蔵は覚えていたらしい、さっと、額のほうから蒼くなり、

「へえ、そんなことがあったかね」

と笑ってごまかそうとしたが、顔が硬ばって醜く歪んだだけであった。

「私はあれから五年間がまんした」又四郎は平静な声で云った、「――だがどうにも堪忍がならない、どうしても、忘れることができないんだ」

「わかるよ、よくわかるよ、しかしおれは決してそんな暴言を吐いたことはないと思うがね、だっておれはそこもとの人物を知っていたし」