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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひゃくあしちがい

百足ちがい

山本 周五郎

Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

「はぐらかすのはよして呉れ、たくさんだ」

彼はやや高い声でこう云った。例のないことである、運蔵は口を噤んだ。

「それでおれは今日、条件を二つもって来た、その一つは城中で、あのときの人たちを集めて、そこでみんなの前で謝罪して貰いたいんだ」

「だってそれは、そんな、それはひどい、少なくとも普請奉行ともある身で、それは自殺するのと同じだよ、それはひどいよ」

「では次の条件だ」こちらは穏やかに云った、「――明後日はいけないけれども、ほかの日と、時刻と、場所とをそっちで定めて呉れないか」

「――だって、どうしてそんな、……そんなことを定めてどうするのさ」

「果し合だよ、わかってるじゃないか」

唐川はとびだしそうな眼でこっちを見た、もう一段と顔が歪み、唇が白くなって震えだした。それからごくっと唾をのみ、喉になにか詰ったような声で云った。

「まさか、まさか、……そんなことを、ははは、……からかってるんだね」

「私のことを云うのなら本気だよ」

運蔵はとつぜんぱっと座を立った。あんまりとつぜんだったので、又四郎は思わず刀のほうへ手を伸ばした。しかしそれよりも遙かに早く、運蔵はまるで燕のように、廊下から庭へとすっ飛んでいた。