Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ひゃくあしちがい

百足ちがい

山本 周五郎

Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

にして貰いたいような、口でいうのが恥ずかしいような気持におさせになるの、江戸ではきっとたくさん御婦人をお泣かせなすったのでしょ、知っていますわ、白状なさいましよ」

「そんな、私は、決して」又四郎は狼狽していよいよ赤くなり、舌が硬ばってきた、「――お願いします、そんなことは、どうか、私は、その、お約束をはたすために、……その、はっきり申しますが、あのときのお約束では、慥か」

「そうそう、お約束がございましたわね」

「三十になるまで待って頂きたい、私はあのとき、こうお願いしました」

「――三十になるまで……」

「そうです、今年はそれで、私は三十になったものですから」

まあという叫びが嬢の口紅の濃い唇のあいだからもれた。驚きと歓びと、そうして一種の感嘆のこもった声である。彼女は大きくみひらいた眼でこちらを眺め、かなり長いことうち眺め、それから初めてすべてを了解したとみえ、にわかに眼を輝かし、ちょっと身を揉むようにして、大きく深く喘いだ。

「やっぱり、ああ、やっぱり貴方でした、わたくし貴方だけはお信じしていましたの、貴方だけはお信じできる、男という男は利己主義で我儘で卑怯だけれど、貴方お一人は、秋成さまだけはお信じできる、そう思っていましたのよ、うれしい、やっぱり貴方は又四郎さまでしたわねえ、わたくしもう……」