Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
Lesen Sie 百足ちがい (ひゃくあしちがい) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.491 Zeichen · 56 Bildschirme
彼女は身を揉み、両方の袂で小娘のように顔を包んだ。なまめかしく色めいた身振りである、そこへ、……廊下から一個の、まだごく小さい赤児が這って来た。
「ぶぶぶ、ああう、ばあばあ」
こういう意味不明瞭なことをいいながら、頗る特徴のある這いかたで這って来た。その道の人が見ればそれだけで将来を占うことができそうな、ごく特殊な這いかたである。そうしてちらと又四郎のほうを見て、なにか気にいらぬとでもいったふうな顔をし、
「だあ、ぷう、だあだあ」
こう怒ったうえ、おかね嬢の膝へ這いあがった。もちろん嬢はこの間ずっと話し続け、袂で顔を掩ったり、身をくねらせたり、また話したりしていたが、赤児が膝へ来ると、
「まあしようのない子ねえ」
といいながら抱きあげ、はでな色合の美しい着物の衿へ手をかけ、巧みにぐいと押しひろげ、すばらしく豊満な乳房を出して、樺色をした大きな乳首を赤児に吸いつかせ、なおこちらへ媚のあるながし眼を呉れて続けた。
「わたくしいつもそう思ってましたの、又四郎さまは信頼のできる方だわって、夢にも二度か三度みましたわ、本当よ、どんな夢かってことは恥ずかしくっていえませんけど、三度、いいえ五度ぐらいみましたわ、あっ痛い、そんなに強く吸っちゃだめよ、めっ、こっちのお手は出して、ええ本当ですわ」