Japanische Klassiker mit Furigana
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ひゃくめんそうやくしゃ
百面相役者
江戸川 乱歩
Lesen Sie 百面相役者 (ひゃくめんそうやくしゃ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.801 Zeichen · 20 Bildschirme
でもどっか、涙香小史を思わせる所がないでもない。今でも貸本屋などには残っている様だが、涙香のあの改版にならない前の菊版の安っぽい本があるだろう。君はあれのさし絵を見たことがあるかね。今見直すと、実に何ともいえぬ味のあるものだ。この××丈出演の芝居は、まあ、あのさし絵が生きて動いているといった感じのものだったよ。
実に汚い劇場だった。黒い土蔵見たいな感じの壁が、半ばはげ落ちて、そのすぐ前を、蓋のない泥溝が、変な臭気を発散して流れている。そこへ汚い洟垂れ小僧が立並んで、看板を見上げている。まあそういった景色だ。だが絵看板丈けはさすがに新しかった。それがまた実に珍なものでね。普通の芝居の看板書きが、西洋流の真似をして書いたのだろう、足が曲った紅毛へき眼の紳士や、身体中ひだだらけで、馬鹿に顔のふくれ上った洋装美人が、様々の恰好で、日本流の見えを切っているのだ。あんなものが今残っていたら、素敵な歴史的美術品だね。
湯屋の番台の様な恰好をした、無蓋の札売り場で、大きな板の通り札を買うと、僕等はその中へはいって行った。(僕はとうとう禁令を犯した訳だ)中も外部に劣らず汚い。