Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(一) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 246.214 Zeichen · 495 Bildschirme
さすが疲れて、彼女は小机に横顔を伏せたまま、いつか、うとうと居眠った。そのままの姿で夜明けを待つ覚悟なのである。
しかし四更の頃。義貞は、朝も待たずに訪れてきた。のみならず誰も連れぬただ一人だった。前日の戯れ言もあることだし、彼女がはっと、きびしい居ずまいを示したのも、無意識にせよ無理ではない。
義貞は、そばへ来て坐った。
「……おう。ついに寝もやらずいやったか」
「御評議のよい落着きを、ひたすら念じておりましたので」
「む。評議は二た刻ほど前に終ったがの」
「して、どうなりましたか」
「舎弟の次郎義助をはじめ、一族老臣どもまで、いッかな、この義貞のなだめに耳をかそうとはせぬ」
「……では、御主君のあなた様のおことばでも」
「足利の城戸では、わが家の郎党五名が斬られ、六名は重傷を負うた。――しかも、手をくだした中には、高氏の弟直義もいたとのこと。で、次郎義助などは激昂のあまり、すぐにも足利へ襲せて、仕返しせんと息まく始末じゃ。尼御前、せっかくであったが、あきらめてくれい」
「いえいえ、これを見ていては、御両家の間に、なおどんな血を見るやら知れませぬ。小太郎さま。