Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(一) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 246.214 Zeichen · 495 Bildschirme
「そこで双方に訊ねるが、足利新田両家の確執とは、そも何に因づくもつれなるか」
「あいや、お訊ねなれど……」
義貞は、胸を起して。
「ひとの沙汰は知らず、義貞が身にとっては、足利家に宿意をいだくなどのことは、従来、全く覚えもおざらぬ」
「ないとか。ならば、足利は」
高氏もまた。
「新田にないもの、足利にあるべき由謂はございませぬ」
と答えた。が、貞顕はたたみかけて。
「いや、由謂なくはあるまい。――先ごろ、新田方より政所への早馬によれば、高氏の弟直義を先立て、足利の武士ども大勢、兄の幽所を破らんと押し襲せ、新田の警固番十数名を殺傷したとのことではないか」
「…………」
高氏は答えなかった。おもしろくなさそうである。そろそろ持ち前の不逞が頭を擡げたものか。
「足利。返答は」
高氏が、むッそりと黙っているので、寄人の座の一名から、注意するような叱咤が出た。
執事金沢貞顕も、ここでは、やや声をはげまして。
「右の一条、申し開きが相立たねば、弟直義の罪科は恐らくまぬがれまいぞ。また新田方の、公命の警固にたいし、私の宿意を構えたものとも断じられるが、どうじゃ」
「おそれながら」