Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
直義、中原とは真ん中のことだ」
「そこまでのお腹をうかがえばわれら死んでも本望です」
「ばかを申せ。死ぬに苦労はいらん。これからこそ実のある苦労を尊氏はする気なのだ」
「朝敵とよばれても」
「照覧あれ、人はいおうと、天は知るだろう。尊氏はただ正しいと信じる道を行くだけだ。……いやこんなはなしは後日後日。直義、すぐ前進の貝を吹かせろ」
「お待ち下さい。さっき師直が、降参の将の簿を作って、お目にかけるといっておりましたから」
直義はあわてて出て行った。まもなく発向の貝が鳴った。この朝の足利勢は、一夜に万を超える兵力となっていた。
ほとんど抵抗らしい抵抗もみず、以後の足利勢は、行く先々でいよいよその兵力を強大にするばかりであった。
当日、加島に夜営
翌朝、富士川渡河
次の日、興津
やがて手越、大井川と一路東海の道は足利色に風靡されて行った。
しかしその間、大雨の一昼夜もあったので、尊氏は新田の敗残勢力を叩くよりも、これ以上、自軍を疲れさせまいと心していた。わけて海道一の大河、天龍川を越えるには、しょせん一ト難儀はとしていたのである。
ところが、ほどなく遠州に入りその天龍川を前に眺めわたすと、濁流満々ながら対岸にいたるまで堅固な舟橋がえんえんとなお無事に架かっていたので、