Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
に接近するの機会をつかみえていたなら、なんらかのかたちで、彼の軍旗の上に、それが闡明されていたであろうが、ついにその様子はみられなかった。――一色右馬介そのほか、尊氏の秘命をうけて戦陣もよそに八方奔命していた者どもも、いまだになお、目的への暗中摸索をつづけているに過ぎないものか。――とにかく尊氏にすれば心ならずも賊軍の名の立場のままで、ついに二十七日合戦の大戦争へ突入するしかないものとなっていた。
しかも彼はこの日の戦いで大敗した。
賊軍、逆賊、不逞な反軍と、口にまかせて敵が罵る声々をあびて彼の部下は総くずれに崩れ立った。――錦の旗の前に脆かっただけでない。――洛中の食糧不足に足利勢の兵色がとみに痩せ飢えていたことがその敗因であったと言いうる。
すでに、洛中占領の当初から食糧政策には欠けていた。いや皆無であった。都へ入れば食糧はあるものときめ、兵たち個々の心理までおなじだった。
ところが、官の廩倉も公卿の私物もほとんど他へ移されており、疎開民家ときてはなおさらで一ト釜の粟すら残してはいなかった。したがって足利勢数万は、入洛以来、勝手な食い漁りによって生きていたのである。