Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
其許たちのいる所でない。……止めおきたいが置かれもせぬ。……妙源おらぬか。妙源」
「はっ。おめしで」
引田妙源の姿を、とばりの裾に見ると、尊氏はそれにいいつけた。
「この二人を馬に乗せ、兵庫の魚見堂まで送らせい。そして、よういたわり取らせたうえ、さらに二人のたずねる明石の冷泉殿の家まで兵を添えてとどけてやれ。心ききたる兵数名をつけて、過ちのないようにな」
「かしこまりました。では」
「おおすぐがよい。尼前、覚一、また会おう。再会はまだ先の日遠いかもしれぬが、きっと会おう。その日まで、つつがなく暮しておれよ」
尊氏は何か、急に、心せわしげであった。そしてこの二人を見送るとすぐ、薬師丸という小姓武者を、陣の内からよびよせていた。
未成年者は一様に童武者とよばれている。
十三、四から六、七歳の年少もかなり軍中にいたことは事実で、うちには寵童もまじっていたといわれるが、尊氏には美童を愛していたようなあとはない。その多くは将座に侍して、総大将の雑用をなすいわゆる“小姓組”に配されていた。
薬師丸もまたそのひとりで、可憐な童体だった。髪を稚子輪に結い、朱胴朱おどしの小具足を着、尊氏によばれると、