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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

やがて、同勢が着いたところは、芦屋から小一里奥の、の一寺だった。

見るからにわびしい田舎寺だ。しかし先に頼尚がいいつけてあったのか、庫裡ではさかんな炊煙だった。なによりは一同の飢えが頼尚の責任感にあったとみえる。

はじめて、ここでは頼尚をよんで、尊氏が不審をたずねた。

「直義たちの手勢はどこへ上陸ったのか」

「のこらずの部落に屯しておられます。いずれ後刻、お打合せにまいられましょう」

「たそがれ、河口から望まれた煙は、敵だったのか、味方だったのか」

「味方の群れにございました」

「それにしては、この地で参陣あるはずの、新しい手勢と見ゆるほどな兵も見えぬが」

「じつは」

と、頼尚は申しわけないような態をがくと両の肩に落して。

「それには、ちと」

「何か、異変でも」

「は。……為に、大いなる齟齬を来しまして」

「とだけではわからぬ。何事かが起ったのか」

「肥後の菊池勢が、はや大挙して太宰府へ押し寄せ、味方は防ぎに苦戦しております由。これへ来て聞き知り、じつは、臍を噛んでおりまする」

「しゃっ。逆手を打たれたか」

「が、ご憂慮なされますな。老いてはおりますなれど、留守にはわが父妙恵入道がおりまする」