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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

では、おん大将より御題なと賜わって」

と、道謙の口吻は、なお尊氏の文事の素養をいくぶんうたぐって、それを量るような容子でないことでもなかった。

「詠題か」

尊氏は、ちょっと考えて。

「……普門品念彼偈(観音経)の一句一句を、各※(二の字点、1-2-22)が詠題に分け持って、巻をおさめたなら、尊氏が浄書のうえ、当寺の法楽観音の宝前に献じたてまつること。いかがであろうな」

「それは」

と、みな尊氏の趣向に興じて、しばし風流陣の苦吟に遊んだ。

まず、尊氏が、

弘誓深如海

の五字をとって、

わだつみの

深き誓ひのあまねさに

頼みをかくる

法の舟かな

と詠じ、つづいて弟直義は、

火坑変成池

を題に、

さだまれる

姿の物になき故に

たやすく火をも

水と為すらん

そのほか、執事師直やら、つらなる諸大将もみな、一偈一詠ずつのかたちで、三十三首の歌を作り、即座に、尊氏はそれを巻物に清書して、寺へ納めた。

尊氏たちは、まもなく浄土寺を出、その夜のうちに船で鞆ノ津へ渡った。

全軍は、そこでただちに陸海軍の二タ手にわかれた。すなわち。

将軍(尊氏)は、執事の高ノ師直や関東いらいの宿老をつれて、水軍のお座船(旗艦)へ。