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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

このさいに、新田勢がうけた損害は、決して少ないものではない。

さきに、宮方へ合流するため、備前熊山を去った児島三郎高徳なども、途中、一族郎党のあらましを打たれ、高徳はわずか数騎となって、からくも、新田方の陣へたどり着いていたほどである。

「いまは加古川もよい陣地ではない」

「兵庫へ」

「ひとまず兵庫へ」

義貞、義助の令は、全軍の将の合い言葉となって、播磨路は、ひがしへ押し返してゆく軍馬の影ばかりとなっていた。――こうして、ついに義貞の山陽道突破は、むなしい二タ月をついやして事成らずにはしまったものの、まだうしろには幾万の予備もあるとしている官軍だった。かつは兵庫の海、兵庫の山。そこは歴戦、官軍が勝利をえてきた吉祥の地だ。また義貞としては、よしや尊氏が幾万の兵を持って来ようとも、本来の勇と智略と、そして、故郷世良田いらいの新田小太郎が面目にかけても、

「なんであの、うすあばた面に! 石の地蔵に! おくれをとってなろうや」

と、いまや三軍の将帥としての決戦を期すと共に、自分一個と宿敵尊氏との、最後の対決も明日に迫ッたものと思い、退路の馬上、人知れず唇をかんだ。