Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
これでもよほどお急ぎあったものとうけたまわりました」
「ム。それもあろうか」
義貞は、一考して。
「こうしよう。その態たらくではすべもあるまい。しかるべく、人馬を休め、のちほど、社家の一殿でお目にかかろう、と」
為綱は去った。
そのあと、義貞は、門廊の床几にかかって、さしせまる乾坤一擲の戦いをどう戦うべきか、よろいの高紐におや指をさしはさみ、ひとり唇をかんでいた。
なによりも彼はいま兵力の不足を感じる。
当初、尊氏の東上ときいても、わずか二タ月ほどな再起の準備、どれほどな兵力を狩りえようと、たかをくくっていた風でなくもない。――ところが近接すればするほど、予想外な大兵とわかり、また東上の途上、その兵員はふえるばかりのようでもあるのだ。
で、彼は急遽、都へむかって、予備軍の急派を、ひんぴんと、要請していた。すでにそれはぞくぞく着いて現地軍のうちに編入されており、楠木正成の来援なども、その要請によるもののほかではない。ただ正成のばあいは、その来ることが、はなはだ遅かった。義貞にはややそれもまず気にくわない――。
しかし、殿上からの、べつな通達によると、正成は河内から直行せず、親しくみかどにお別れをつげて立ったという。