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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

――そして駒ヶ林の宝満寺こそ、いま尊氏がいる本営とおもわれる」

すべて正季には意外だった。それでは義貞の意図は全然空を打ッたことになる。が、それでいいのだと正成はいう。そしてただ正季にも、尊氏の無血上陸ぶりだけが敵ながら見事と思わざるをえなかった。息をのんでその宝満寺とやらを、視野に求めるばかりだった。

それと注意してよく見れば、尊氏が上陸直後の陣地、宝満寺の屋根は、会下山から直線距離で十数町、蓮池からでは南へ六、七町、いちめんな磯松と白波のあたりにたしかめられる。

正成は、語気をこめて。

「見よ正季、かしこに、尊氏がおるとは、楠木党にとり、思わぬ武門冥加ではあるまいか。われらに死に花を誇らすため、わざわざ、目さきへ上陸しおったようなものだ」

「まことに!」

と、正季も応えた。身のうちにうねる血のたぎりを、彼方の一焦点へじっとそそいで。

「望んでもない、死出のみやげです。直義ばかりか、尊氏をもここに見つけ得たなど、なおわれらの武運も、見捨てられたものではありません」

「そちの手に残す二百余騎、わしの麾下に余す三百たらず、あわせて五百騎、一丸火の玉となって、足利兄弟に目にものをみせてくれようぞ。