Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(七)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme
元々、賢俊は持明院統の臣下である。
やがてまた、三条の実継や日野中納言資名などもこれへ来て、奉侍した。久我の前ノ内大臣もやってきた。
尊氏はさらに、都のすみに逼塞していた前の左大臣近衛経忠をさがし出させて、なにかと、輔弼の任を、このひとに嘱した。すべてそろそろ次代の朝廷づくりのしたくであった。――これをである。生前の正成が喝破したのであった。尊氏の大逆であると。また、自分とは異なる道をあゆむ野望の人間であると。――しかし尊氏は、これが大義にそむくとは思っていない。正成の死は惜しむが、いまでも深く彼の死を愁んでいるが、正成の臣道よりは、自分の臣道のほうが、はるかに、徹したものとおもっている。朝廷のおためにもよく、世のためだと信じていた。正成の理想主義を、あわれとは思え、自分が着々ときずいて来つつある現実的な大業の成果を疑ってみたことはない。
「犠牲は大きい」
しかし、である。
「いまにみよ、みんなよろこぶ。尊氏に感謝しよう。庶民も、武家も、公卿も、朝廷も」と。
六月に入っていた。
いよいよ真夏。
盆地の都は、まるで釜の中だった。――魏の曹植の詩、七歩ノ詩さながらに、釜の中の豆と豆とは煮られていた。