Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しほんたいへいき

私本太平記(七)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(七) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 330.262 Zeichen · 662 Bildschirme

Aozora Bunko

敵ののど首は必死で締めている。

こういう中にあって。

東寺にある尊氏は、上皇に奏請して、国家的な、典儀の大事を、執りすませていた。

八月の十五日。

光厳上皇の皇弟、豊仁親王は、践祚された。

“践祚”とは、天子の位にのぼる式をいい、“即位”とは、それを百官万民に告げる披露の儀式をいう。だからまだ、布告の大礼までにはいたらないが、今日以後は、このきみを以て天子とするという、践祚の礼は、天地の神祇に誓われたわけである。

北方の光明天皇とは、すなわち、そのお方だった。

いずれが正しく、いずれが正しくないといえるのか。なお、後醍醐には、ゆめ、御位を退くなどのお心はない。一国に、同時に、ふたりの天皇があるかたちとはなってしまった。

そしてなお、二つの天皇の下において、日々夜々、しのぎをけずる激戦はくりかえされていたのである。しかもいまや、双方とも、さいごの喘ぎと、盲目的な断末魔の死力を以て。

「…………」

ここにいたって、尊氏には、この殺し合いの、果てしなさが、そろそろ、やりきれなくなり出していた。あえて、践祚ノ儀をとり行って二日後の晩であった。彼は、人知れず清水寺へ願文をおさめていた。