Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme
もちろん、それいぜんから、山上にはあらゆる貯備に努めてはいた。
焼米、道明寺糒。
河内名物のドロ芋。
その茎を干したずいき。
また梅漬け、干柿、栗、およそ保存にたえるものは、なんでも糧倉へみたしていたが、しかし城兵一日の糧を、かりに米六合とみれば、千人で日に六石、古法の三斗五升俵にして十七俵強の容積である。それに副食物を加えた物が夜さえ明ければなくなってゆくわけだ。
もちろん合戦のすきにも、葛城の尾根や、間道をたどって、外部から蟻が穴へ持ち込むようなことはしつづけていたが、山伏の背や、忍び隊の搬入などは、およそたかのしれた量でしかない。――安間了現が、ふところ覚えを繰るたび眉をくもらすのは当然だった。
「……む。……むむ。……だいぶ乏しくなって来たな。だがこれからは木の芽も食える、草も食える。虫、鳥、獣、何でも食おう。そして一日ここの籠城をささえれば、一日の勝ちだ。十日持てば十日の勝ちとしてよかろう。もしあと百日保てば、おそらく北条勢の寄手のうちに、大きな自壊がおこるに相違ない」
正成は言った。
けれど正成のこの言も、いささか安間了現には聞き馴れていて、いまとなっては、鼓舞をおぼえないばかりでなく「……またおなじ仰せ言か」