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Japanische Klassiker mit Furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme

Aozora Bunko

言いたくはないが、いまはしかたがない、申さずばなるまい」

「その申し開きは、長崎殿の御陣へ行って、申しあげろ」

「なんの、ゆるし乞いなどする気はない。かりにもわしは長崎四郎左衛門ノ尉には、目上の血縁にあたる者だ」

「こいつが、くるしまぎれに狂人を装う気か?」

「狂語と聞くなら、狂語と聞け。だが、わしの亡妻は、さきの鎌倉の執権代の長崎高資の兄、泰綱のむすめじゃった。内管領の円喜入道とも、浅からぬ肉親にあたる」

「…………」

「とだけでは、まだのみこめまい。それよ、わしがまだ六波羅評定衆の一員として、都にいたころに取り交わした、高資や泰綱などの書簡の古束ねがここにある。……これを持ち帰って、長崎へ見せるがいい。思い出すことだろう」

時親は書斎の一隅をかきまわして、一ト束の古手紙を源五の足もとに抛り出した。源五はその二つ三つをせわしげに検めていたが、どうにも不ざまな驚きをかくせなかった。中には彼の主筋の名や北条氏眷属のゆゆしい人々の名も見えたからだった。

「で、では」

この場の収拾もつかない態で足立源五は、もいちど、もとのかたちに返った。

「あなたさまの御出身地は?」