Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(四) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 229.324 Zeichen · 458 Bildschirme
「詫びはあとで直義がいたす。――こんなさいにも、殿は柳堂でしんと寝所に臥せっているありさまだ。何事によれ、そういう風に、無事をたのんで、迷いを能としておいでになる。日ごろは知らず、今はそんな無難をえらんでいられようか」
「ご一理とも存じます。しかしまだ都にも臨まぬうち、足利家の異心をみせては、前途の難、どうありましょうか?」
「ここは鎌倉と都との、ちょうど海道のまん中にあたる。鎌倉へ知れる頃には、軍旅、ましぐらに、われらは早や都のうちだ」
「いやいや、途中には、近江の関がありまする」
「近江の関?」
「お忘れあってはなりますまいがの。佐々木道誉はなんのために、ひとあし早く帰国を命じられていたでしょうか」
「む、もしあの若入道めが、阻むならば、伊吹の城も蹴やぶって通るまでだ」
「それまでのお覚悟ならば」
「この四千余騎。佐々木ごときが何であろう。むしろ伊吹を攻めて、あの要害と地の利を占め、そこにおいて、家祖八幡殿からのわが足利家が、本来の源家の棟梁にたちかえり、多年の悪北条を討ちほろぼして、時の宮方にお味方したてまつると、天下へ公にしたならば、伊勢、美濃、飛騨にわたる不平どもも、争ッて馳せ参じるは疑いもない」