Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かさおりはんくろう
笠折半九郎
山本 周五郎
Lesen Sie 笠折半九郎 (かさおりはんくろう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.004 Zeichen · 26 Bildschirme
この主君
一
「待て、みんな待って呉れ」
小次郎は座敷へ入ると、今しも総立ちになった客と主人との間へ、そう叫びながら割って入った。そして先ず半九郎を押えつけ、
「笠折へは拙者が話をする、みんなとにかく待って呉れ、手間は取らさぬ、さあ……向こうへ行こう笠折、宜いから来るんだ」
そう云いながら、引摺るように半九郎を居間の方へ連れて行った。
この主君
一
「落着け、落着いて聞くんだ笠折」
半九郎を引据えながら、小次郎は声を励まして云った。
「貴公の言葉は穏当ではない、いや分ってる、貴公がそう云った時の意味は別だった、しかしそれが彼等に伝われば、斯ういう問題が起らずにはいないものを持っている、言葉が悪かったんだ、拙者の云う気持は分るだろう」
「簡単に云え、己にどうしろと云うんだ」
「云い過ぎたということを一言で宜い、行って彼等に詫びて呉れ、ただ形だけでも宜い、あとは拙者が旨く片を付ける」
「あのときのようにか」
半九郎は白く笑いながら云った。
「お上へ喧嘩の始末で言上したように、あの時のように旨く片を付けるか、小次郎」
「なにを云う。……貴公酔っているな笠折」
「真直に己の眼を見ろ!」
紙のように蒼白めた顔を、ぐっと突き出しながら半九郎は叫んだ。