Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶんがくずきのかていから

羅生門・鼻・芋粥

芥川 竜之介

Lesen Sie 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.240 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

わらくずやペンキ塗りの木の片が黄緑色に濁った水面を、一面におおっている。どうも、昔、森さんの「桟橋」とかいうもので読んだほど、小説らしくもなんともない。

麦わら帽子をかぶって、茶の背広を着た君は、扇を持って、こっちをながめていた。それも至極通俗なながめ方である。学校から帰りに、神田をいっしょに散歩して、須田町へ来ると、いつも君は三田行の電車へのり、僕は上野行の電車にのった。そうしてどっちか先へのったほうを、あとにのこされたほうが見送るという習慣があった。今日、船の上にいる君が、波止場をながめるのも、その時とたいした変わりはない。(あるいは僕のほうに、変わりがないせいだろうか)僕は、時々君の方を見ながら、ジョオンズとでたらめな会話をやっていた。彼はクロンプトン・マッケンジイがどうとか言ったかと思うと、ロシアの監獄へは、牢やぶりの器械を売りに来るとかなんとか言う。何をしゃべっているのだか、わからない。ただ、君を見送ってから彼が沼津へ写生にゆくということだけは、何度もきき返してやっとわかった。

そのうちに、気がついて見ると、船と波止場との距離が、だいぶん遠くなっている。