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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

「はい」

と直ぐ側の薄くらがりから声がしたので、

「あらまあ! 吃驚した」

「便所へ行ったんですよ」

と新太郎君は待ち切れなくて、その辺を徘徊していたのだった。早速茶の間へ罷り出ると父親は、

「何うしたんだい? その頭は」

と怪んだ。

「これは一寸」

と新太郎君は両手で撫ぜつけた。

「新太郎や、長いこと待たせたが、例の縁談が好い塩梅に進みそうだよ」

「はゝあ」

「お母さんからこの間話して置いた通り、先方のお母さんという人が評判のむずかし屋だそうだから、途中で何う変げるかも知れない。しかし大切は充分取ってある。もうこの上念の入れようはないんだから、これで万一破れるようなことがあったら、それまでの縁と諦める外仕方がない」

「はあ」

「松浦さんの若夫婦は今まで時機を待っていたんだよ。宮地さんも度々会って打ち合せてある。先方のお父さんは能く話の分った人で、娘さんさえ承知なら、全然異議がないらしい。宮地さんは念を入れて叔父さんまで手を廻している。皆納得しているんだから、お母さんも大抵宜かろうと見当がついたので、イヨ/\正式に申込むことになったのさ」

「種々と御手数をかけました」