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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

「お前達が側についていながら、そんなに心持の定ってしまうほど交際をさせるということがありますか?」

「でも、お母さん、東京と違って海水浴場でございますよ」

「海水浴場にしてもさ。お前と友三郎さんは何の為の監督ですか?」

「でも、同じ宿にいるんですもの、悪い方でない限りは……」

と操さんが行き詰まった時、

「お母さん、決してそんな次第じゃございません。真の通り一片の交際で何ういう方か未だ存じませんから考えさせてと秀子さんは仰有っています」

と友三郎さんが助太刀に出た。

「秀子の心持よりも私の心持よりも病人の心持と渋谷の伯父さんの心持がお前達は大切と見えますのね」

「そんな風に仰有られると、私達、何とも申訳ありません」

「でも然うとしか思えませんよ」

「お母さん、この問題は兎に角秀子が仕合せになれば宜いのじゃございませんか?」

と操さんは手っ取り早いところから説きつけようと思って、家門より個人という意味を仄めかした。

「生意気な口をお利きでないよ」

と母親はそんな思想を認めてくれない。

「…………」

「私は何うしても気が済みません。秀子を素町人へ片付けては先祖代々へ申訳が立ちません」