Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

と母親が註解を加えた。

「分っています」

「ところで洋行の話だが、実は俺は組合から欧米視察を頼まれている。何うせ一度は行って来たいと思っているし、別に目論んでいることもあるから、丁度好い幸いに承知したのさ。副頭取の河内屋さんと岡本さんが一緒に出掛ける。俺一人だと唖の旅行で迚も覚束ないが、立派な通訳が二人までついているから心丈夫だ」

「私もお供をさせて戴きましょう」

「実を言うと、俺はお前に留守居をして貰いたいんだが、万一縁談が纒まらないようなら、何うも心配で置いて行けない。お前はグれるに定っている」

「大丈夫です。そんなことはない積りです」

「いや気散じに世界を見て来るさ。しかし纒まったら留守居をしなさい。実は寛一をとも思って見たが、お前達は未だ/\早い。もう二三年やらないと、折角の視察が大して参考にならない」

「しかしお父さんはお一人で宜いでしょうか? この夏のようなこともありますからな」

「何あに、俺は大丈夫だ。病気を案じていちゃ果しがない。出るものなら家に斯うして坐っていても出る」

「それは然うですな。兎に角、私はお父さんやお母さんのお差図通りに致しましょう」