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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

「一寸お待ち下さい」

と薬局生は先生のところへ訊きに行って来て、

「お薬には及びませんそうで、折角お大切に。ヘッヘヽヽヽ」

と窓の内から新太郎君を覗き上げた。

新太郎君は稍忌々しかったが、完全に目的を達した次第である。家へ帰ると直ぐに、

「丹波さんは何うも大袈裟で困りますよ。この忙しいのに、一月ばかり海岸へ転地しろと仰有るんです」

とお母さんに相談した。

「そんなに悪いの?」

「いや、今直ぐ何うってことはありませんが、無理をすると悪くなる心配がありますから、一思いに早く静養する方が宜かろうと仰有るんです」

「然うしますか?」

「えゝ。店の方の都合さえつけば」

「病気なら仕方ありませんわ。卒業試験の時に毎晩徹夜で勉強したのが応えているんですよ」

「然うです。学校を卒業すると大抵一遍は神経衰弱をやるものです」

と、まさかそんな理法もあるまいが、母親は瞞し宜い。

「でも寛一は平気じゃないの?」

「あれは特別です。撲ったって死にません。僕、何でも寛一君と一緒にされるんで困りますよ」

「お前は子供の時から弱かったからね」

「独息子で余り大切にし過ぎたからですよ」

「大切にしてやったり苦情を言われたりしちゃ埋まらないわ」