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Japanische Klassiker mit Furigana

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だっせんむすこ

脱線息子

佐々木 邦

Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

と言って、俊男君が後を追おうとした時、

「俊男さん、あなたは一寸」

と友三郎さんが止めた。

「何ですか?」

「何でも宜いのよ。一寸々々」

と操さんが然るべく計う。

新太郎君は靴下に庭下駄を穿いて、秀子さんと連れ立った。

「お広いですな。大きなお池がありますな。銀座あたりから来ると羨ましいです」

と恐悦至極だった。

「古いだけが自慢よ。これで庭師が見ると何処か法に叶っているんですってね」

「素人の私にも何となく結構ですよ」

「私はもっと現代的のが欲しいわ」

「花壇ですか?」

「いゝえ。花壇は裏にありますよ」

「それじゃ西洋式ですね?」

「えゝ」

「あれは迚もこれほどの趣がありません。やあ、大きな鯉がいる」

「もっと大きなのがいたんですが、四五年前に皆死んでしまいましたの」

「何うしたんです」

「涸れたことのないこの池がその夏に限って涸れてしまいました」

「はゝあ」

「すると間もなくあの大震災です」

「はゝあ、何か地震と関係があるんでしょうかね」

「さあ。安政の時にも涸れたと申しますわ」

「不思議ですな」

「西川さん、彼処で休みましょう」

と秀子さんは築山の麓へ案内して行った。陶器の腰掛が二つ誂え向きに並んでいる。