Japanische Klassiker mit Furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lesen Sie 脱線息子 (だっせんむすこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 108.293 Zeichen · 221 Bildschirme
「然うです。店は店、住宅は住宅で別の方が僕も具合が好いんです」
「銀座は住むところじゃありませんわ。散歩に行くところよ。私、園芸が大好きですから、庭がなければ駄目よ」
「郊外に地面を買います」
「いゝえ。地面はこの屋敷廻りに家のがいくらもありますよ。姉さんばかりに上げないで、私も芳子も俊男も分けて戴くことになっていますから、それを差上げますわ」
「恐縮ですね」
「家はそれへ建てゝ戴きますわ。これも条件よ。宜くて?」
「えゝ。承知しました」
と新太郎君は唯々諾々だ。
「こゝなら母も毎日来られますわ」
「然うですな」
「私も毎日帰れますわ」
「結構です」
「西川さん、あなたはこの夏原田さんとお二人で兄さんや姉さんの悪口を仰有ったそうですわね」
「はあ」
「芳子が聞いて来て大憤慨でしたわ。姉さんに言いつけましたの」
「何ですか? 一体」
「家では兄さんが姉さんのことを『あなた』と仰有るでしょう。それで松浦のところは夫婦何方も『あなた』だから蔭で聞いていると牝牡が分らないって仰有ったそうですわ」
「あれは原田が言ったんです」
「あら、あなたよ、あなたの方が原田さんよりも余っ程お口が悪いわ」